23218 自己調心ころ軸受（重機およびエネルギー設備用）
機械工学の複雑な分野において、23218 自己調心ころ軸受は、優れた性能を持つ重要なコンポーネントとして際立っています。高負荷や軸のたわみなどの過酷な作業条件に対応するように特別に設計されており、さまざまな重機に広く使用され、設備の安定した動作を確実にするための確固たる保証を提供しています。
I. 設計と構造
内輪と外輪
23218 軸受の内輪は、二列の軌道設計を採用しており、90mm の軸径に正確に適合し、取り付け後の緩みをなくし、効率的な力伝達を実現します。外輪には球面軌道が装備されており、このユニークな構造が自己調心機能の中核を担っています。軸と軸受ハウジング間の取り付けずれを一定の角度範囲（通常 1°～2.5°）内で補正でき、アライメント不良によって生じる追加の応力を大幅に軽減します。
外輪の外径は 160mm に達し、幅は 52.4mm です。全体的な構造は、耐荷重能力と空間適応性の両方を考慮しています。肉厚の大きい外輪壁は、耐衝撃性を高めるだけでなく、軌道により安定した支持を提供し、変動負荷の長期的な負荷に適合させます。
転動体と保持器
軸受は、内部に二列の樽形ころを転動体として使用しています。その曲面設計は、外輪の球面軌道に完全に適合し、ラジアル荷重と両方向のアキシアル荷重の両方を負担できます。ころは高強度軸受鋼で作られており、精密研削が施され、表面粗さは Ra0.1μm 以下に制御されており、転動中の低摩擦特性を保証します。
保持器は通常真鍮製で、ころはセグメント設計により均等に分離されています。この構造は、ころの自由な回転空間を確保するだけでなく、高速運転中のころの移動軌道を効果的にガイドし、ころ間の衝突や摩耗を回避できます。高温または腐食性環境では、さまざまな作業条件に合わせて、鋼またはナイロン製の保持器を選択することもできます。
シール構造（オプション）
23218 軸受の一部のモデルには、接触型または非接触型のシールが装備されています。接触型シールはニトリルゴム製で、内輪に密着し、優れた防塵・防水効果があり、ほこりや湿気の多い環境に適しています。非接触型シールは、迷路設計により摩擦を軽減し、高速運転シナリオに適しており、最大 3000rpm の速度に対応できます。
II. 主要パラメータ
| パラメータ | 値 |
| 内径 (d) | 90mm |
| 外径 (D) | 160mm |
| 幅 (B) | 52.4mm |
III. 性能上の利点
超強力な耐荷重能力
二列ころ設計と最適化された接触角により、23218 軸受の基本動定格荷重は 405kN に達し、静定格荷重は 620kN に達し、重機の高負荷要件を容易に満たすことができます。鉱山機械の破砕機や冶金設備のロールなどの用途では、疲労破壊することなく、衝撃荷重に長時間耐えることができます。
優れた自己調心能力
外輪の球面軌道と樽形ころの連携により、軸のたわみや取り付けずれを自動的に補正できます。製紙機のプレスロールや風力タービンの主軸などの長軸設備では、この機能により軸受の端応力を大幅に軽減し、耐用年数を 30% 以上延長できます。
耐摩耗性と高温安定性
軸受リングところは、高炭素クロム軸受鋼（SUJ2）で作られています。焼入れ後、硬度は HRC60～65 に達し、表面はリン酸処理を施して耐摩耗性を高めています。-40℃～120℃の温度範囲内では、その寸法安定性と機械的特性は安定しており、特別に熱処理されたモデルは 200℃以上の温度に耐えることができます。
低摩擦と振動抑制
精密加工された軌道ところにより、接触摩擦が軽減され、摩擦係数は 0.0015 と低くなっています。同時に、二列対称構造により荷重分布が均一になり、運転中の振動速度レベルは 65dB 以下に制御でき、工作機械主軸やその他の高精度要件のある設備で優れた性能を発揮します。
IV. 材料品質
リングところの材料
本体は高純度軸受鋼（GCr15SiMn）で作られており、内部の気孔や介在物を減らすために真空脱ガスプロセスが使用され、材料密度が確保されています。ころは冷間圧造成形、高温焼戻しなどのプロセスを経て、内部構造が均一で、衝撃靭性は 12J/cm² 以上に達し、疲労強度が大幅に向上しています。
保持器材料
V. 適用分野
重工業機械
鉱山設備では、23218 軸受はジョークラッシャーの偏心軸に使用され、巨大な破砕力と衝撃荷重を負担します。冶金産業では、圧延機のワークロールを支持し、高温と圧延力の両方の試験に耐えます。
建設機械
ローダーや掘削機のギアボックスと旋回軸受部品の出力軸は、この軸受を広く使用しており、その偏心荷重に対する耐性により、荒れた地形での機械の安定した伝達が保証されます。クレーンのウインチでは、軸受の高耐荷重特性により、重い物を持ち上げるときの安全性と信頼性が確保されます。
エネルギー設備
風力タービンの主軸システムは、ブレードの回転によって生じる軸のたわみを補正するために自己調心機能に依存し、風力から変換されたラジアル荷重とアキシアル荷重を負担します。水力発電所の水力タービンの主軸では、軸受の耐摩耗性により、水中または湿気の多い環境での長期運転に適応します。
製紙および繊維機械
大型製紙機のカレンダーロールと乾燥ロールグループでは、軸受の低振動特性により、均一な加圧と紙の乾燥が保証されます。繊維産業の染色および仕上げ設備では、その耐高温性と耐食性を利用して、湿気と高温の環境で安定した運転を維持しています。
VI. 取り付けとメンテナンス
取り付け中は、内輪に均一な力を加えるために、特殊工具（油圧ナットなど）を使用し、ノックによる変形を避ける必要があります。テーパー内輪付きのモデルでは、ロックナットを介してクリアランスを調整でき、推奨される動作クリアランス範囲は 0.12～0.25mm です。
潤滑に関しては、グリース潤滑の場合、極圧リチウム系グリース（NLGI グレード 2）を選択し、充填量は軸受の内部空間の 1/3～1/2 とします。オイル潤滑は高速用途に適しており、ISO VG 46 または 68 の潤滑油を使用することをお勧めします。強制潤滑を使用する場合は、油圧を 0.1～0.3MPa にする必要があります。
定期的なメンテナンスでは、軸受温度（通常 70℃以下）、振動値、異常なノイズを確認し、異常が見つかった場合は適時に交換する必要があります。分解中は、ジャーナルと軸受ハウジングの穴の損傷を避けるために、プーラーを使用する必要があります。
VII. 結論
高強度設計、優れた自己調心能力、幅広い適応性により、23218 自己調心ころ軸受は、重機の分野で理想的な選択肢となっています。極端な負荷、軸のたわみ、または複雑な環境であっても、安定した性能を発揮し、産業生産の効率的な運転を確実にするための確固たるサポートを提供し、現代の機械工学における不可欠な主要コンポーネントです。
