N310EM 円筒ころ軸受 50x110x27 鉱山機械用

N310EM 円筒ころ軸受 50x110x27mm - 鋼製保持器、産業および鉱業用途

I. 主な技術パラメータと構造設計

N310EMは、内輪にリブがなく、外輪に両側リブがある単列円筒ころ軸受で、ラジアル荷重が支配的な産業用途向けに設計されています。主なパラメータは以下のとおりです。

構造的特徴:

1. ころ設計:
   • ころを15%増やすことで、接触応力を20%低減し、耐用年数を30%延長。
   • ころ端部の最適化された面取りにより、エッジ応力集中を最小限に抑え、振動環境（鉱山機械など）に適しています。
2. 保持器技術:
   • EMサフィックス:機械加工された鋼製保持器を示し、プレス鋼製保持器よりも剛性が40%高く、高速（DN値最大6,000）に最適。
   • オプションの真鍮製保持器（N310EM-Cu）は、湿気や化学環境での耐食性を向上。
3. 材料とプロセス:
   • 内輪/外輪ところは、完全焼入れ高炭素クロム軸受鋼（GCr15）を使用し、真空焼入れ処理を施すことで、標準軸受と比較して耐摩耗性を25%向上。

II. 性能上の利点と適用分野

1. 高いラジアル荷重容量:
   • ラジアル荷重容量は、同サイズの深溝玉軸受の2.5倍で、ギアボックス主軸、コンベアローラーなどの高負荷シナリオに適しています。
   • シャフトの取り付け誤差を補正するために、HJ310アダプタースリーブと組み合わせることができます（ラジアル振れ≤0.08 mm）。
2. 高速安定性:
   • 鋼製保持器設計により、遠心力の影響を低減。6,000 r/minでの振動レベル≤3.5 mm/s（ISO 10816準拠）、工作機械主軸、高速モーターなどに適しています。
   • オプションのC3クリアランスは、大きな温度変動がある環境（温度差≥80℃の熱間圧延機など）に適応。
3. 長寿命と低メンテナンス:
   • ころ案内技術により、保持器の摩耗を最小限に抑えます。10,000時間の連続運転後、摩耗≤0.01 mm。
   • 標準のオープン設計は、高温グリース（-30℃～+120℃）またはオイルミスト潤滑をサポートし、メンテナンス間隔を50%延長。

代表的な用途:

• 産業機械: 減速機主軸、繊維機械ローラーシャフト、木工機械切削スピンドル。
• 鉱山設備: 破砕機ローラーシャフト、振動スクリーン駆動シャフト（粉塵や衝撃荷重に強い）。
• 工作機械: 旋盤や研削盤のスピンドルサポート（ラジアル振れ≤0.03 mmを確保するために精密な取り付けと組み合わせる）。
• 電力設備: 小型発電機のローター軸受（高速および低振動の要件に適応）。

III. 取り付けとメンテナンスのガイドライン

1. 取り付けの要点:
   • シャフトとハウジングの公差: シャフトはm6公差を使用し、ハウジングはJ7公差を使用して、圧入の安定性を確保。
   • 熱嵌めプロセス: 加熱温度≤120℃（材料の焼鈍を避けるため）。冷却後にラジアルクリアランスを再確認（目標：0.02～0.04 mm）。
   • アライメント精度: レーザーアライメントツールを使用して、シャフトの平行度≤0.05 mm/mを確保し、偏心荷重による早期故障を防ぎます。
2. 潤滑戦略:
   • 初期潤滑:NLGIグレード2リチウム系グリース（MoS₂含有）を軸受内部容積の1/3充填。
   • 再潤滑間隔: 連続運転下で2,000時間ごとに再充填。高温環境（>80℃）では、合成エステル油を0.5～1 L/minの流量で使用。
3. 状態監視:
   • 振動監視: 加速度センサーを使用し、アラームしきい値≥4.5 mm/s（RMS値）。
   • 温度監視: 赤外線温度計で軸受ハウジングの温度を確認。異常な温度上昇（>20℃/h）が発生した場合は、直ちにシャットダウン。

IV. 技術的な代替案と選択に関する推奨事項

1. 費用対効果の高い代替案:
   • N310E（プレス鋼製保持器）: コストが15%低減されますが、高速性能が20%低下します。軽負荷、低速シナリオ（コンベアアイドラーなど）に適しています。
2. 特殊環境バリアント:
   • N310EM-Cu（真鍮製保持器）: 耐食性が3倍向上し、食品加工や化学設備に最適。
   • N310ECP（ナイロン製保持器）: 40%軽量化され、高速、低騒音用途（医療機器など）に適しています。
3. 認証とコンプライアンス:
   • 標準モデルは、ISO 15寸法規格およびGB/T 283定格荷重に準拠しています。RoHS準拠バージョンも利用可能です（鉛含有量≤0.1%）。
   • EU市場向けには、CE認証済みモデルを選択して、電磁両立性と安全性を確保してください。

V. 選択と調達に関するアドバイス

1. パラメータ検証:
   • シャフト公差、設置スペース、負荷スペクトル（静的/動的比）を確認して、過負荷による耐用年数の短縮を回避します。
   • 頻繁な起動停止条件の場合は、C4クリアランスモデルを選択して、起動トルクを低減します。
2. サプライヤーの資格:
   • バッチの一貫性を確保するために、IATF 16949（ZWZ、NSKなど）の認証を受けたメーカーを優先します。
   • 実際の性能を確認するために、材料欠陥検出レポート（超音波検査など）と寿命試験データを要求します。
3. 在庫と納期:
   • 標準モデルはすぐに利用できます。カスタマイズオプション（特殊クリアランス、コーティングなど）の納期は4～6週間です。
   • 顧客の在庫圧迫と資本占有を軽減するために、委託在庫を検討してください。

N310EMは、費用対効果、容易なメンテナンス、および幅広い温度適応性に優れており、中小規模の機械式トランスミッションシステムに最適な選択肢です。その鋼製保持器設計は、剛性と経済性のバランスを取り、冶金、鉱業、工作機械業界で優れた性能を発揮します。クリアランスと保持器材料の柔軟な構成により、多様なアプリケーションニーズに対応できます。